去る2018/11/3(土)に日本初の大規模Vue.jsカンファレンス「Vue Fes Japan 2018」が開催されました。私はVue Fes Japan 2018実行委員会のスタッフとして昨年夏過ぎ(!)から準備に追われ、緊張感と幸福に包まれた当日を経て、今ようやく落ち着きを取り戻しつつあるところです。

おかげさまですでに参加者、スポンサーのみなさんからは多くのブログ記事を書いていただいているため、本記事では1スタッフの側から見たVue Fes Japan当日について書き記し、今後のVue.js日本ユーザーグループを含めたカンファレンス開催側の役に少しでも立てればと思います。

当日やったこと

私はAV(Audio Visual)班のリーダーとして、主に会場Aの映像および音声のスイッチング、ミキシングを担当しました。様々な勉強会などで経験済みのこととはいえ、失敗が許されないポジションだったこともあり、小さな問題が起きる度に嫌な汗をブワッとかいたことをよく覚えています……。

全体の配線は以下の通りです。どこかでトラブルが起きても何らかの手段で代替が効くような形を考えています。

卓の位置や配線がほとんど動かせなかったり、予定していたケーブル長が足りなかったりもしましたが、crach.academyさんの機転を利かせたサポートをいただくこともでき、なんとかオープニングに間に合せることができました。

講演中は会場のピンマイクが1台不具合を起こしたこともあり、一部セッションで急遽ハンドマイクに切り替えるトラブルがありました。経験上、どれだけ気を使っていても機材トラブルは起こってしまうため、いつ何が故障してもいいように備えておくことが重要だと改めて認識させられました。

また、当日会場のプロジェクタに映像を投影してみると、少し照明が明るく後方から見にくいという問題が発生したため、午後からは急遽照明もコントロールしていました。アフターパーティーではムーディーな照明に切り替えることもできたので、結果オーライだったかもしれません。

全体としては、なんとか致命的な問題は発生することなく終えることができました。

キーノートにおけるリアルタイム翻訳の舞台裏

Twitterでも驚きの声が上がっていた、Evan Youさんによるキーノートで実施されたリアルタイム翻訳は、Special Sponsorかつコアスタッフの一員でもある、アシアル株式会社田中正裕さんの手入力によるものです。逐次・同時通訳も検討されたのですが、時間やスペース、コストの問題からこのような方式が採用されました。

文字がスクロールしたり、確定した文字のみが表示されるシステムは、Vue Fes Japanだけのためにアシアルさんが開発されたようです。

Evanさんのスライドの下に田中さんが物凄い勢いで入力したテキストが流れている

また、Evanさんのスライド画面と田中さんの翻訳画面の2画面を、1画面に合成してプロジェクタに出力するため、私が所有しているHDMIスイッチャー、LiveWedgeを使いました。LiveWedgeはPinP(ピクチャーインピクチャー)機能を持っているため、このような合成をお手軽に実現することができます。

これにより、参加者は合成結果である画面(前出の画像)を、講演するEvanさんは自分のPCで自分のスライドだけを、翻訳する田中さんも自分のPCで自分の入力画面だけを見ることができます。

スタッフで検討中の図

思いつきでやってよかったこと

1年以上かけてプランしてきたカンファレンスとはいえ、当日になると「コレをやればよかった!」と思い付くことはよくあることです。事前準備が必要なことであれば仕方ないですが、当日にできることであればその場でやりましょう!と機転を利かせることもライブイベントの面白いところです。

この日、思い付きを実行してよかったことの中から、2つをご紹介します。

1. 全スタッフで円陣を組んだこと

Vue Fes Japan実行委員会は1年間準備してきたコアスタッフの他にも、当日+αのお手伝いをいただくボランティアスタッフを合わせると、総勢40名の大所帯です。これだけの大人数になると、中には1度もお話をせずに終わってしまう人もいます。

しかし、1日限りであろうとチームはチームです。

お互いにリスペクトしあい、団結力を高めるためにも、よいことだったと思います。写真も、なんだかみんなニヤニヤしています(笑)

2. バックパネルを出口横に移動したこと

当日、スピーカーや受付の後ろにこのようなバックパネルを置いていました。Platinum SponsorであるPLAIDさんと、Vue.js、Vue Fes Japanのロゴが入った今回だけのスペシャルバージョンです。

もともと予定にはなかったのですが、これを他のスタッフにお願いしてアフターパーティー前に出口付近へと移動してもらいました。だって、みんな記念写真を撮りたいですよね?

案の定、アフターパーティーにご参加いただいたみなさんは、帰りがけに記念撮影を楽しんでいらっしゃったようです。

当日までのお話

さて、ここまで当日やったことを書いてきました。前述の通りVue Fes Japanは1年がかりで準備してきまして、私は主にデザインおよび映像担当としてさまざまなものを作ってきました。具体的に作ったものは以下の通りです。

  • ティザーサイトおよび本番Webサイトのデザイン
  • スタッフ/参加者Tシャツ
  • ステッカー
  • トートバッグ
  • ネックストラップ
  • プログラム冊子(パス)
  • オリジナルビールラベル
  • バックパネル
  • ドリンクカウンターボード
  • 会場内案内
  • オープニングムービー
  • ウェイティングムービー

……多すぎ! というわけでこれを語り始めると40,000文字あっても足りないので、またの機会にデザインの舞台裏を書きたいと思います。

Vue Fes Japan 2018に関わっていただいたすべてのみなさんにお礼を。そして、来年の再会を祈って。